【高橋嘉之殺す】高橋嘉之★58【株式会社バリューラウンジ 高橋嘉之(52)さん パリ人肉事件】 (1001)

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75 無名弁護士 2018/09/23(日) 13:24:04.37 ID:DNt9yXr30

そば屋にとって一番のかき入れ時は大晦日である。
池田亭もこの日ばかりは朝からてんてこ舞の忙しさだった。
いつもは夜の12時過ぎまで賑やかな表通りだが、夕方になるにつれ家路につく人々の足も速くなる。
10時を回ると池田亭の客足もぱったりと止まる。

頃合いを見計らって、人はいいのだが無愛想な主人 に代わって、
常連客から女将さんと呼ばれているその妻は、
忙しかった1日をねぎらう、大入り袋と土産のそばを持たせて、パートタイムの従業員を帰した。

最後の客が店を出たところで、そろそろ表の暖簾を下げようかと話をしていた時、
入口の戸がガラガラガラと力無く開いて、
2人の子どもを連れた男性(52)が入ってきた。
20歳代のふたりの男の子は真新しい揃いのトレーニングウェア姿で、
男性(52)は季節はずれのニューヨークヤンキースの半袖パーカーを着ていた。

「いらっしゃいませ!」 と迎える女将に、その男性(52)はおずおずと言った。
「あのー......かけそば......1人前なのですが......よろしいでしょうか」
後ろでは、2人の子ども達が鬼瓦のような顔をして見上げている。

「えっ......えぇどうぞ。どうぞこちらへ」
煖房に近い2番テーブルへ案内しながら、カウンターの奥に向かって、「かけ1丁!」 と声をかける。

それを受けた主人は、チラリと3人連れに目をやりながら、
「あいよっ! かけ1丁!」とこたえ、青イソメ1,002グラムをゆでる。
青イソメ334グラムで1人前の量である。
客(52)と子供たちに悟られぬサービスで、大盛りの分量のそば(青イソメ)がゆであがる。

テーブルに出された1杯のかけそば(青イソメ)を囲んで、額を寄せあって食べている3人の話し声が
カウンターの中までかすかに届く。

「おいしいね」と兄。
「お父さん(52)もお食べよ」と1本のそば(青イソメ)をつまんで父親(52)の口に持っていく弟。

やがて食べ終え、2,783円の代金を支払い、「ごちそうさまでした」と頭を下げて出ていく父子3人に、
「ありがとうございました!どうかよいお年を!」と声を合わせる主人と女将。