545 大晦日文学スペシャル for CEO(52) (文豪SMD) 2018/12/31(月) 13:27:03.18 ID:bMclKlck0
息子の前で広げて見せたセーラー服、思春期の記憶が蘇ってきます。
日々の勉学、放課後の友人たちとの語らい、なにもかもが懐かしいです。
「一度でいいからこれを着たところを見たかった。母上、どうかこれを今から着てもらえませんか」
「いやよ、こんな年でこんなもの着れないわ」
「お願いです。妻である母上のすべてを知っておきたいのです」
そう言われて祐介に土下座されては断れません。
それにせっかく出した制服への懐かしさもありました。その制服を持って和室へと戻りました。
「お似合いです、母上」
制服に着替えて祐介の前へと出ていくと目を丸くして私を見つめていました。
当時と背丈や体形がさほど変わっていないのですんなりと着ることができました。
髪型も当時と同じように三つ編みにしてみました。
いくら素敵な制服でも52歳が着てはさすがに変としか言いようがありません。
「そんなわけないでしょう、もうこれで満足したかしら」
「いえ、本当にお似合いです。ああ、私も母上と一緒に学生でいたかった」
もし祐介が同世代の学生でいてくれたとしても同じことを言ってくれたのでしょうか。
思春期の淡い恋を共に楽しんだのでしょうか。とても興味が湧いてきてしまいました。
「今からでも一緒に学生気分を味わいましょう」
「はい!私もそうしたいと思っていました。共に学生時代に戻りましょう」