646 名無しさん 2013/06/19(水) 16:36:48 ID:uypKkung
男は五反田の街を眺めた
欲望の街五反田
彼もまたその欲望にまみれた男の一人である
男はソファーで眠る女の髪をなでる
女は寝入っているのか起きる気配はない
小さな掌を握る
冷たい
これも日常だ
冷たい手を掛けられた毛布に入れてやる
この女と共に生活するようになってもう数週間
それ以来誰もこのオフィスには来ていない
いや、誰も来させていない
二人だけの空間を限られた時間の中で味わいたいから
床に落ちた女の頭を抱えあげて
男はそっと接吻した
「 お は よ う ナ リ 」