【声なき声を拾い】唐澤貴洋殺す【光無き所に光を】 (1000)

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656 名無しさん 2013/06/19(水) 17:06:30 ID:OimqwLHk

「おい、洋、結婚したら一緒に住むって話、考えてくれたナリか?」
「ダメよ、何を言ってるのよ。せっかくの新婚生活なのに。長谷川亮太にだって迷惑がかかるじゃない」
「大丈夫ナリ。長谷川亮太んちは資産家で家だって大きいことは明白。はっきり言って気にする必要ないナリ」
「そういう問題じゃないわよ。『嫁入り道具に余計なモノまで付いてるわね』なんて笑われたら、 洋、恥ずかしくって相手のご家族に顔向けできないわよ」
「あははは、出来ちゃった結婚で嫁入りしようっていうのに、今更恥ずかしいことなんて何もないナリ」
「あら・・・大きなお腹抱えて大笑いして・・・いい大人が子供みたいに。あなた、もう三十歳でしょう? すこしは大人らしくしなさいな」
「まだ三十四ですよーだナリ。とにかくさ、結婚したら一緒に住むナリ。今日はこれから長谷川亮太とデートなんだから、きちんと話をすれば大丈夫ナリ」
「いやよ、洋、同居なんて。長谷川亮太だって嫌がるに決まってるわ」
「だってこのままこの家で一人で暮らすってわけにもいかないナリ。二十年前に弟が死んで、もう貯金だってほとんどないのにどうやって生活していくナリか?」
「パートでもなんでも働けば一人分の食い扶持くらい稼いでいけるわよ」
「いままで働いたことだってないんだから、いい年して今更働きに出るなんてムリに決まってるナリ」
「まったくこの子は減らず口ばかりで・・・。ほら、そろそろ長谷川亮太が迎えに来る時間よ。準備しないと」
「あ、ホントナリ。じゃあ、洋、お小遣いちょうだい」
「もう、この子ったらもうすぐ三十になるっていうのに・・・。ほら、これで美味しいものでも食べてきなさいな」
「ありがとうナリ、洋。じゃあ、アイスでも食べるナリ」
「お腹がすくからって食べ過ぎちゃだめよ。お腹が大き過ぎると体だって危ないんだからね」
「はいナリ。いってくるナリ」

「おまたせ、長谷川亮太」
「どうしたンゴ? ずいぶん時間かかってたンゴ」
「ごめんなさい。息子の相手してたら時間がかかっちゃって」
「ああ、ニートの貴洋くんかンゴ。さっき元気にファミリーマートに入っていったンゴ・・・。ありゃ太り過ぎンゴ」
「ええ。今度生まれてくるお腹のこの子にはあんな風になってほしくないわ、まったく」