書評&読書感想文スレ (14)

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6 ゆげ塾 ◆2Vesh.FSeQ 2021/01/09(土) 20:27:42 ID:+PYzSya2

ジョージ・オーウェル 「1984年」

1948年に書かれたSF作品で言わずも知れた名作、ビッグ・ブラザーが貴方を見ているや2+2=5でも有名な作品
架空の1984年を舞台としていて物語の歴史では1950年代に核戦争が起こり世界が3つの超大国
オセアニア(南北アメリカとオセアニアなどの太平洋それとイギリスと南部アフリカを支配)
ユーラシア(旧ソ連とヨーロッパ大陸部中東と北部アフリカを支配)
イースタシア(中国、朝鮮半島および日本を支配)
に分かれていてどの国も似たような全体主義国家であらゆる市民生活は監視されていて
日常生活に必要な物資は欠乏している
それぞれの国は互いに相手を変えながら残りの場所(インドや中部アフリカなど)
で終わりのない戦争を繰り返している
主人公ウィルソン・スミスはこの三つの国の一つであるオセアニアのロンドンに住んでいて
国家にとって都合の悪い歴史を改竄し続ける真理省に勤める下級党員
彼の日常はテレスクリーンと呼ばれる機械で監視されていて
ビッグ・ブラザーと呼ばれるオセアニアの指導者に絶対的な服従を強いられている
彼は都合の悪い歴史を抹消しているうちに現在の体制に疑問を持ち
同じく現在の体制に疑問を持つ党の幹部と接触するが…

あまり書くとネタバレになりますけどとにかく暗い小説、しかし現代の中国とかを
見るとこうした世界もあり得たかもしれないと思ってしまう
主人公たちの日常生活は常に恐怖と希望のなさに覆われていて読んでて心が沈みます
実は最後の最後で初見では気づかないけれどもその作品中の世界の未来に
救いが暗示されている
是非読んでみることを勧めます