雑談★2 (1000)

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126 塘懌䝿拝 2013/08/22(木) 18:11:15 ID:6IhHkee.

2 被告SMCの責任
 被告SMCは,適式の呼出しを受けたが,本件口頭弁論期日に出頭せず,答弁書その他の準備書面を提出しないから,民事訴訟法159条3項により,第1事件原告らの主張事実を自白したものとみなす。そうすると,第1事件原告らの被告SMCに対する各請求はすべて理由がある。
3 被告Y1,被告H&S及び被告HICの責任
 前記認定によれば,メイト,SMC投資クラブ,被告SMC,被告H&S及び被告HICは,名簿業者から購入した名簿を利用して,外務員らに電話で未公開株式の勧誘をさせ,顧客に上場予定時期や幹事証券会社を偽った情報を提供して,未公開株式が近く上場の予定があり,上場された場合には値上がりする旨の虚偽の事実を告げさせ,その旨誤信した顧客らに対し,ブローカーから仕入れた未公開株式を高額の譲渡価格で売却し,利益を得ていたのであるから,不法行為責任を負う。また,被告Y1は,メイト,SMC投資クラブ,被告SMC,被告H&S及び被告HICを次々に立ち上げて,電話による未公開株式の勧誘,販売を主導し,それを拡大してきたのであるから,同様に顧客らに対し,不法行為責任を負うことは明らかである(なお,株式会社イーバンク銀行については,株券預り証を交付したのみで,実際には,株券を交付していないから,未公開株式の購入代名下に,金員の交付を受けたことが不法行為となるというべきである。)。
 そして,メイト,SMC投資クラブ,被告SMC,被告H&S及び被告HICは,被告Y1が未公開株式を電話により勧誘,販売するために組織化したものであって,有機的一体性を有しており,被告SMC,被告H&S及び被告HICの3社が実質的には同一の会社であることは被告Y1,被告H&S及び被告HICも自認するところであるから,上記メイト,SMC投資クラブ,被告SMC,被告H&S及び被告HICの行為には共同関連性があるものというべきである。
 そうすると,被告H&S及び被告HICは,同被告らから未公開株式を購入した第1事件原告らに対し,不法行為責任を負うことはもちろん,上記メイト,SMC投資クラブ,被告SMCから未公開株式を購入した第1事件原告ら対しも,同様に不法行為責任を負う。
 もっとも,原告番号3,5及び18の各第1事件原告らは,アース製薬株式会社の株式を購入しているが,同株式は,平成16年6月ころ,平成17年秋をめどに上場予定である旨が報道され(甲A6の5),実際に,その後に上場されていること(甲A10の1,2)が認められる。そうすると,アース製薬株式会社の株式購入に関しては,実際に上場がされ公開されている以上,上記各第1事件原告らには錯誤はなく,不法行為は成立しないというべきである(上場された場合に,株価が想定された額を下回ったとしても,上場株式は,経済状況等の諸要因によって変動するのは当然であるから,それをもって錯誤があったものとはいえない。)。また,上場した場合には,確実に値上がりすると断定的な判断(消費者契約法4条1項2号)を提供したと主張するが,アース製薬株式会社の株式に関する案内文書(甲B5の2の4)には,上場後の株価については何らの記載がされておらず,第1事件原告X5の供述によっても,第1事件被告らが,断定的な判断を提供したと認めるには十分ではない。第1事件原告らは,被告SMC,被告H&S及び被告HICがいずれも内閣総理大臣の登録業者ではないにもかかわらず,それを秘し,その旨第1事件原告らを誤信させて,未公開株式を購入させたことをもって詐欺である旨主張するが,第1事件原告らにとって,重要なのは,購入した株式が近く公開される予定であるという事実であって,上記被告らが証券業の登録を受けているかどうかは,株式の上場とは関係がなく,株式購入の意思決定に際して重要ではないものというべきであるから,第1事件原告らの上記主張は採用できない。