雑談★2 (1000)

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127 塘懌䝿拝 2013/08/22(木) 18:11:39 ID:T3iW6XMc

4 被告Y3の責任
 前記認定によれば,被告Y3は,メイト,SMC投資クラブ,被告SMC及び被告H&Sにおいて,被告Y1の信頼を得て,未公開株式の勧誘,販売の営業全般を統括し,外務員らを指導監督し,顧客に上場予定時期等を偽った虚偽の情報を提供させるなどしていたものであるから,上記メイト,SMC投資クラブ,被告SMC及び被告H&Sから未公開株式を購入した各第1事件原告らに対し,不法行為責任を負う(ただし,前記のアース製薬株式会社の株式の販売を除く。)。もっとも,被告Y3は,被告HICの関係では,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反で公訴提起をされておらず(乙イ5),有罪判決も受けていないのであって(乙イ6),被告HICの営業に関与したことを認めるに足りる証拠はない。したがって,被告Y3は,被告HICから未公開株式を購入した原告番号1,5,13,14,19,20,22及び24の各第1事件原告らに対しては,不法行為責任を負わないものというべきである。
5 被告Y2の責任
 前記認定によれば,被告Y2は,SMC投資クラブ,被告SMC及び被告H&Sにおいて,管理部門の幹部として,未公開株式の仕入れ,株券の入出券,在庫の管理,預り証の送付等の株券の管理業務及び外務員らに対する歩合伝票の作成,支払決済等の歩合給支給の管理業務を行っていたのであるから,上記SMC投資クラブ,被告SMC及び被告H&Sから未公開株式を購入した第1事件原告らに対して,不法行為責任を負う。また,被告Y2は,被告HICで販売する未公開株式についても,株券の管理等を行っており,被告HICのために未公開株式の仕入れを行うなどしていたのであるから,被告HICが行う未公開株式の勧誘,販売に関与したものとして,被告HICから未公開株式を購入した第1事件原告らに対し,不法行為責任を負うものというべきである。
 被告Y2は,被告Y1から指示を受け雑用係として事務を行っていたにすぎず,違法性の認識もなく,不法行為責任を負わないとか,被告HICには勤務していない旨主張する。しかしながら,前記認定によれば,被告Y2は,被告Y1の信頼を受けて,管理部門の幹部として,未公開株式の勧誘,販売の業務に不可欠な株券の管理業務及び外務員らに対する歩合給支給の管理業務を行っていた上,未公開株式の仕入れをも行っていたが,販売した未公開株式のうちアース製薬株式会社を除いては,上場した事実はなかったのであるから,違法性の意識がなかったものとはいえない。また,被告Y2は,日本橋茅場町の被告HICの事務所を勤務場所とはしていなかったものの,前記認定によれば,被告HICが販売する未公開株式を仕入れ,その株券管理等を行っていたのであるから,被告HICの行為についても責任を免れない。
 確かに,被告Y1や被告Y3が上記一連の未公開株式の販売に果たした役割に比べると,被告Y2の役割の重要性には差があり,それが刑事責任の差となって表れているものと思われるが,そのような事情があるとしても,原告らに対する不法行為責任に関しては,せいぜい不真正連帯債務者間の内部の求償関係に影響するにすぎず,不法行為責任の成立には消長を及ぼさない。
 もっとも,被告Y2は,前記認定によれば,メイトに入社して外務員として未公開株式の勧誘,販売に従事していたが,その当時は,未だ外務員にすぎず,原告番号7の第1事件原告X7の大塚製薬株式会社の株式の勧誘,販売について関与したことを認めるに足りる証拠はないから,同原告に対する不法行為責任は負わない。