958 エッヂの名無し 2024/06/20(木) 18:52:48.092 ID:wy9tRLNgp
そして、明日は帰国するという別れの晩がやってきました。あなたは私の部屋に来て、手のひらに小さなケースを握らせて言いました。
「これ、プレゼント。絶対に人にあげたりしないでね」
模造真珠のブローチで、ケースの表には「JAPAN AIRLINES」。それに続く言葉を、私は今も、忘れることができません。あなたは言いました。
「私、日本に帰ったら本を書くつもり。でも、そこに北原さんのことは書かない。ごめんね。だって、バレちゃうからね」
それでいい? と、あなたに念押しをされるように言われ、私は頷くよりほかはありませんでした。