262 エッヂの名無し (L20 JZD6-60Du) 2024/11/12(火) 12:31:09.866 ID:YEMGPzC3p
出走予定の全頭に課せられた最後の歩様検査。オーサムリザルトの番になると塩津には「おや?」と思う事があった。
「それまで何度も検査に来ていたのとは違う獣医が来ました」
聞くと前日まではブリーダーズC協会に委託された世界各国からランダムに集められた獣医が行うが、当日の全頭チェックはカリフォルニア州の獣医師に委ねられるとの事だった。
18〜19年にかけてサンタアニタで事故が多発した際、動物愛護団体が目を光らせるようになった。それを受けてカリフォルニア州での注目度の高いレースに関しては、州の獣医師により厳格な調査が行われるようになっていたのだ。
これには指揮官の池江泰寿がその時の心境を吐露する。
「当日はそれまでと違う獣医師が来る事は事前に知らされていたし、どの馬も同様だったのでそれ自体に問題はありませんでした。ただ、オーサムの場合、独特の歩様で、左前に軟腫があったのも事実なので、見慣れていない人が来る事に一抹の不安はありました」
脚元を含めた全身の触診に続いて歩様検査が行われた。ここで馬房に戻して良いと許可された。
「何とか無事に終わったかな?」と胸を撫で下ろした兼武。しかし……。
「他の馬達は皆、このあたりでOKが出ていたのに、オーサムはなかなかゴーサインを出してもらえませんでした」