46 エッヂの名無し 2025/06/22(日) 04:03:34.799 ID:C63x4/1UQ
最後は最も有名な東日本大震災の予言。この予言は『私が見た未来』初版本の表紙に書かれている。
大災害は2011年3月
これを見れば当たっているように見える。しかし、情報が少なすぎる。本編の漫画ではどう描かれているだろうか……と思って確認してみると……
何もなかった。冗談ではなく、この東日本大震災の予言とされるものは本編に一切登場せず、表紙にある11文字だけしかなかった。
『私が見た未来』完全版の解説によれば、「2011年3月」という年月は『私が見た未来』初版本の締め切りの日に、たつき氏が夢で見たものだという。それを急遽、表紙に載せたのだという。
けれども時間があったら漫画にできるような予知夢だったのかというと、そうではないらしく、初版本の22年後に出た完全版の方でも東日本大震災の予言についての漫画や、
それのもとになった夢日記は掲載されていない。これでは情報が少なすぎて、ただのまぐれ当たりの可能性が捨てきれない。
そもそも、『私が見た未来』初版本の表紙で最も目立つ予言は富士山の噴火を描いたものである。
表紙には、「1991年8月20日に見た夢」「絵はがきみたいなきれいな富士山」「すごい急いで雲がぐるぐる周りながらふきだした」
「雲がぶあ〜と吹きだしてきたと思ったら富士山が噴火したものすごい音」「ドーン」と書かれている。
しかし、ご存知のように富士山は噴火していない。つまり、この予言は外れている。
1991年から30年後の2021年8月には、この富士山の噴火予言が30年のズレを経て的中するのではないかと騒がれたが、結局外れた。
また『私が見た未来』完全版の作者解説によると、夢診断なるもので「噴火」は「世界恐慌」や「パンデミック」とも解釈できるという。そんな超絶解釈がOKならもう何でもありかもしれない。
ただし表紙でメインになっているこの富士山の噴火予言は本編の漫画には登場せず、
代わりに本編でメインの扱いになっているのは、1981年に見たという津波の夢である。
その夢に出てくる時期は1996年か1999年の夏で、それぞれの年には意味があった。
1996年は「私が見た未来」が単行本に収録前の雑誌『ほんとにあった怖い話』の9月号に初めて掲載された時で、
漫画の中では登場人物の一人が、「96年だったらさ!今年の夏ってことになるわよ!」と言っている。
また1999年の方は、『私が見た未来』初版本が発売された年で、月も8月だった。
つまり、どちらも「1996年か1999年の夏」という漫画の話と重なる時期で、漫画のラストも次のセリフで終わっている。
津波の原因は私にはわかりません
津波に襲われた町がどこなのか?
単なる夢でおわるのか? 予知なのか? は
―もうすぐわかるから……
「すぐ」が強調されているのは実際の漫画のとおりで、結局「私が見た未来」という漫画にとって最も警告したかった予言の中身は、「1996年か1999年の夏に起きる津波」だったことがわかる。
ところが、どちらも現実には起きず、予言は外れてしまった。結果は「単なる夢」だったのである。