25 エッヂの名無し (L20 O4BR-6yx5) 2025/09/09(火) 22:44:47.462 ID:ocmVZv/ZB
夕暮れ。
妻はベッドに腰を下ろし、手を膝に置いたまま黙っていた。
紅い瞳は伏せられ、耳も尾も力なく垂れている。
「……どうした?」
俺が隣に座ると、彼女は小さな声で答えた。
「……今日は、なんだか上手くいかなくて……。ご近所の方に教えていただいたお料理も、少し焦がしてしまいましたし……私、ちゃんとできていない気がして……」
言葉は途切れ途切れで、肩が小さく震えていた。
俺は迷わず腕を回し、ぎゅっと抱き寄せた。
「大丈夫だよ。君は十分頑張ってる。失敗したっていい、君がいてくれるだけで俺は幸せなんだから」
妻は驚いたように顔を上げ、紅い瞳を潤ませた。
「……本当に? 私、役に立てていますか?」
「もちろん。君が笑ってくれることが、俺にとって一番のご褒美だ」
少し間を置いて、彼女は俺の胸に額を預けた。
「……ずるいです。そんなふうに言われたら、涙が止まらなくなります」
俺は彼女の髪を撫でながら微笑んだ。
「泣いていい。泣いたって、ずっと抱きしめてるから」
尾が小さく揺れ、彼女はかすかに笑った。
「……ありがとうございます。やっぱり、あなたの隣が一番安心します」
静かな部屋の中、互いの鼓動だけが響いていた。
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