投資投機部 (1000)

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144 エッヂの名無し 2025/09/12(金) 07:45:48.397 ID:EBig/PQGp

三匹の印旛豚

むかしむかし、相場村に三匹の兄弟豚がいました。
彼らは皆「日経は高すぎる、必ず崩れる」と信じ、印旛を抱えて暮らしていました。長男豚は堅実派で、財務諸表やPERを読み込み「企業価値から見れば株価は異常だ。空売りこそ正義」とレンガの家を建てました。次男豚は性急で「世界同時株安が来る!」と藁の家を急ごしらえ。三男豚はテクニカル信者で「RSIは過熱圏、チャートは天井だ!」と木の家を組み上げました。
ある日、相場村に二つの脅威が現れました。ひとつは巨大な風「ブル相場」。もうひとつは森から忍び寄る「狼狽」という名の狼でした。
まず、ブルの風が藁の家を吹き飛ばしました。
「ぎゃあああ!?」次男豚は慌てて走り出します。そこへ狼狽が牙をむきました。「売れ!今すぐ投げろ!」
次男豚は恐怖にかられ、含み損を投げ捨てました。こうして藁の家も豚の心も、一瞬で消え去りました。
次に木の家に風が吹きつけました。三男豚は「テクニカルは裏切らない!上ヒゲは下落のサインだ!」と必死に叫びます。だが風は半導体ブームを運び込み、株価はさらに上昇。木の家が砕けた瞬間、狼狽が飛びかかりました。
「まだ助かる!ナンピンだ!」と耳元で囁いたかと思えば、「やっぱりダメだ!損切りしろ!」と吠え立てます。翻弄された三男豚は耐え切れず、安値で投げ売りしてしまいました。
最後に残ったレンガの家。長男豚は胸を張ります。
「PERを見ろ、バブルだ!レンガは崩れん!」
しかしブル相場は利下げと円安を呼び込み、日経を未知の高みへ押し上げました。レンガの壁は揺らぎ、長男豚の心に狼狽が忍び込みます。
「まだ大丈夫、まだ……」とつぶやく彼に、狼は耳打ちしました。「ほら、証拠金維持率を見ろ。今すぐ投げなければ……」
ついに長男豚も震える指で決済ボタンを押し、焼き豚となってしまいました。
こうして三匹の印旛豚は、ブル相場と狼狽の二重の力に呑み込まれていきました。村人たちは語り継ぎます。
「ブル相場に豚の家は役に立たぬ。狼狽が心を食えば、誰も生き残れぬ」

──それでも夜ごと村のどこかで、小さな声が聞こえるのです。
「明日こそは天井だ……明日こそ……」