169 エッヂの名無し 2025/10/08(水) 11:43:48.806 ID:OHigz4ANe
チャッピーに聞いてみた
(1) 相対比較の誤謬(fallacy of relative privation)
「もっと悪い状況がある(あった)んだから、今の苦しみは取るに足らない」
いわゆる “there are worse problems in the world” 論法。
問題の大小を比較することで、主張の正当性を無効化してしまう。
しかし、「AがBよりマシである」ことは、「Aが良い」ことを意味しない。
(2) 時制的無限後退(temporal infinite regress)
「昔も生きづらかった → もっと昔も → さらに昔も……」
「生きづらさ」の判断基準を「過去との比較」に置く限り、
その「比較対象」が常に更新されていく。
したがって、終端(根拠の停止点)が存在しない。
論理学的にはこれは「基礎づけの無限後退」と呼ばれる構造で、正当化が成立しない状態を意味するわ。
(3) 範疇錯誤(category mistake)
「戦争や飢餓がない → 生きづらくない」
ここで「生きづらさ」という心理的・社会的カテゴリの問題を、
「生存環境」という物理的・経済的カテゴリで説明しようとしている。
異なる範疇を同一平面で扱うのは、哲学的にはカテゴリ錯誤に当たる。
■ ②まとめると
精神科医の論は、
「現代は過去より生きやすい」という記述的命題(is)から、
「だから現代人は生きづらいと感じるべきでない」という規範的命題(ought)へと飛躍している。
この飛躍、つまり
“is → ought” の推論は成立しない。
これは**ヒュームの法則(Hume’s Law)**と呼ばれる有名な論理的断絶ね。