●キムテツ、10分以上も丁寧に会見してくれる (1000)

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212 エッヂの名無し (L20 7zM6-60HB) 2026/02/18(水) 13:11:46.448 ID:zPpxBaztX

前回は『 ザ・ロイヤルファミリー 』誕生の経緯をご紹介しました。今回は物語に登場する馬主・山王耕造についてお話ししたいと思います。

 『ザ・ロイヤルファミリー』を読んだ方や、ドラマを見た方から、「山王耕造のモデルは故・関口房朗さん(人材派遣業のベンチャーセーフネット元会長で、『フサイチ』の冠名で知られた馬主)でしょ?」と言われることがあるのですが、結論から言うと山王耕造に実在のモデルはいません。

 ただ、外見は特捜のエースから弁護士に転身し、裏社会の人物を弁護して「闇社会の守護神」といわれた田中森一さんをイメージしました。僕は25歳のときに半年間ぐらい密着取材をしたことがあり、そこで触れた田中さんの生き方、孤独感、ずんぐりむっくりとした容姿、「望むものすべてをつかみ取れそうなほど分厚い手」などはイメージをお借りしています。

内面に関しては、十数名の馬主さんに会って話を聞いて作りあげました。僕の作品は『ザ・ロイヤルファミリー』だけでなく、いろいろな方へ取材したことを生かして書くことが多いです。『アルプス席の母』や『八月の母』もそうでした。

 おそらく僕は人と会って話をするのが小説家としては得意なほうで、自分でいうのもなんですが「人たらし」の一面があります。1時間という限られた取材時間で相手に「こいつ、面白いな」と思ってもらえるかどうか。執筆中に疑問点が出てきたとき、直接問い合わせできる関係性を築けるかどうかが自分の仕事です。

 『ザ・ロイヤルファミリー』の取材でも話をうかがった多くの方が、次の馬主さん、次の調教師、次のジョッキーというふうにつないでくださって、いざとなったらすぐに話を聞くことができる人間関係をつくることができました。

 ただ、取材後すぐに書き始めると、そこで聞いた特定の人物に寄ってしまうという思いがあり、半年ぐらいかけて印象に残った言葉や人生観を煮詰めて人物像をつくりあげていったという感じです。取材のメモや音声を録音してそれを起こすこともしませんでした。「山王耕造」という人物もこうしてできあがったキャラクターです。