ガチガチに震えた藤井が玉川兄弟像の前に戻ってきた。 俺「あたりまえだ、まだ三月だよ、しかも俺は違う意味で寒かったし」 藤井「まあ気にするなよ」 俺「気にすんだろ、人来たらどうするよ」 藤井は笑っていた。 俺も藤井の類いまれなる愚行をみて、気分が幾らか晴れた。 きっと気をつかってやってくれたんだろう。俺はカラムーチョの袋を開け、ポリポリかじりながら上着をきて胸の位置を直している藤井を見ていた。