【ハチ生】ハチナイスレ【楽しいよ】 (1001)

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308 - 来世はカメムシ 2024/02/28(水) 01:56:01.92 ID:0TQ6gLJ60

真白書いた😡😡
パパっと書いたもんだから出来は許してクレメンス😡

 ひまわり駅前の商店街。時間通りな事を大時計を見て確認し、駅出口がよく見える位置のベンチに腰掛ける。人通りが多い時間帯とは言え、この位置ならお互いにすぐ気が付くだろう。暫くしたら、見慣れた白髪の女子が出口から姿を現した。こちらが手を振ると、彼女は笑顔で駆け寄って来た。
「地蔵さん、おまたせ。ごめん、待たせちゃったかな」
「ううん、僕も今来たところ」
 創作物でよくあるテンプレ挨拶。僕の若干硬い表情や声色を察知したのか、玲は怪訝そうな表情で僕を見つめる。
「どうかした?」
「いや……なんか私服姿の玲見るの、新鮮だなって」
「あはは、そうだね。そういう地蔵さんだって、今日の服は新鮮だな」
 顔を赤らめ、視線を逸らしながらの僕の呟きに玲は確かにと笑って頷く。玲と二人で会うのは基本的に夜の公園。必然的にお互いトレーニングウェアになる。
「でも前に柚達と6人で遊んだ時とかあったよね?」
「でもあの時だって」
「今日とは違う服だった? うん、考えてみたらそうだね」
 玲の言う通り、過去にも私服で会える機会もあるにはあったのだが、その時でも玲は厚手のパーカーにジャージズボンと言った運動をするような格好だった。今日とは違う。
「もしかして緊張かな?」
「だって……凄い似合ってるから」
 今日の玲はライトグリーンに水色のアクセントが入ったワンピース。冷色系の衣服は彼女の雰囲気にピッタリなのだが、ゆらゆらと揺れるスカートの裾の下から見え隠れする太腿の破壊力が凄まじい。トレーニングウェアやユニフォーム姿では決して見える事のない彼女の生足も視界に入り、かなり目のやり場に困る。何より、薄手のワンピースによりあらゆる部分が強調され、玲が女の子である事をどうしても意識してしまう。
「ありがとう。実はちょっとだけ自信無かったんだ。街中でこんな格好は初めてだから」
「小鳥遊達と遊ぶ時はどうなんだ? 流石にジャージじゃないだろ」
「そうだね。でもこの服で会うのは地蔵さんが初めてだし、これからも地蔵さんだけでいいかな」
 つまりこれは二人だけの秘密だね、と玲は付け加えた。いつもと違う姿を僕に見せたいと言う玲、それは間違いなく嬉しい。けれどこの薄着は僕に一抹の不安を抱かせた。
「日光アレルギーは……大丈夫なのか?」
 僕らがいつも夜に会う理由、それは彼女が日光に弱いからだ。たとえ日焼け止めを塗っていたとしても、この服装は彼女に悪影響を及ぼすのではなかろうか。僕の真剣な表情に、玲の口角が少しだけ下がる。
「そうだね、長時間はちょっとまずいかな」
「だったら……」
「でも今日は地蔵さんと二人きりで会えるからこの服にしたんだ。地蔵さんはボクにとって特別だからね」
「あ……」
「ほら、こんな所で立ち話してたら時間がもったいないよ、もう行こう」
 玲は僕の手を握り、指を絡めた。温度を感じる、彼女の細い、白い指。僕はしっかりと絡め返し、彼女のリードに合わせて歩き始めた。
「うん、いい感じ。これも柚に内緒の、二人だけの秘密かな」
 玲が笑顔でまずい事をさらっと言うが、僕は笑って頷き返す。
 ─どうかこの逢引きはバレませんように。