7 名前が出りゅ!出りゅよ! 2015/04/06(月) 04:57:46 ID:WgJlIBtQ
「そういう事だからこの機会にと俺はお前に脱童貞の手解きをするに至ったわけだ。」
「なんで急にあんなこと言い出すのかと思ったらそういう事があったのか…」
「お前への思いは本気だぞ。」
「それくらい父さんを見てれば分かるよ。馬鹿にしないでよ、俺はこう見えても父さんをずっと見てきたんだよ。」
当職の生まれは1978年。今年で37歳である。37年間ずっと父さんの姿を側で見ていた。
「それはそうと是非とも指輪を受け取ってくれないか?」
「もちろん、ありがとう。ところでこの宝石も元々ついていたの?」
受け取った指輪を色々な角度から見ながら当職は尋ねる。
「いや、それは俺の注文だ。金に関しては心配するな。それくらいの蓄えはあるし会計士生活じゃ特に使う機会も無いしな。」
「でも加工しても指輪の効果って大丈夫?」
「その指輪を作った技術部の連中に頼んでしてもらったから大丈夫だ。こちらのチョイスでトパーズを選ばせてもらった。問題無かったかな?」
「…それに関しては問題ないよ。それにしてもトパーズか…」
トパーズの石言葉は誠実、友情、そして「潔白」。汚された当職の名誉の事を思うと偶然と言えばそれまでだろうが悪くない意味を持つ石だ。
「トパーズは嫌いだったか?」
「…いや、大好きだよ。」
「それは良かった。早速つけてみてくれないか?」
言われた通り指輪を左手の薬指につける。大きさはぴったりである。そして同時に力が湧いてくるような気がした。
「どう?」
「うん、似合ってる。貴洋は可愛いな。」
面と向かってそんな事を言われると照れてしまう。
当職はお返しとばかりに洋に口付けした。
(終わり)