3 名前が出りゅ!出りゅよ! 2015/09/14(月) 20:57:27 ID:drIV041k
そもそもこいつに目覚ましとしての機能など最初から期待していない。これが本当の目的である。
からさんのぷっくら卵、濃厚な味でカロリーも少なく烏骨鶏卵の300倍の価格で取引され、いまやフォアグラ・トリュフ・キャビアと並んで代表的な珍味のひとつとなっていた。
俺がこの事務所を辞めないのもこの卵で多額の利益を得られるうえ、売りさばいた残りを思う存分食べられるからである。
「1…10…2783個、今日はこれだけですか」
俺は糞塗れの卵を数えながら籠に放り込んだ。肝心のデブは産卵のショックからかピクピク痙攣している。
さて、これからアイス屋と蕎麦屋に持っていかねば。いただくのはその後だ。
「次は40298個産んでください。できなかったら食肉にしますよ。」
「ナ゛、ナリイィ…コケッコッコ…ゴホッ」
まだ痙攣しているデブをよそに、小屋の扉を閉める。
今日は何にしようかな。オムレツもいいし卵焼きにして弁当に入れてもいい。
洋さんの母乳と混ぜてプリンにするのもいいなあ。
起きた時のイライラは吹き飛び、とろけるような卵の味に思いを長谷ながら俺は事務所を後にした。