1 名前が出りゅ!出りゅよ! (sage) 2015/10/18(日) 00:00:24 ID:neFvfsWA
今日はあたしが生まれて50年のお誕生日☆彡
むかし、エライ人は「40にして惑わず、50にして天命を知る」なーんてカッコつけたこと言ったらしいけど、あたしの人生は迷いっぱなしの袋小路で、なんかもうずーっとポケットにいれてたイヤホンみたいにこんがらがってわけわかんないことになってる。
でも、今日はちょっとだけ自分にご褒美。
MMD杯の一件以来、心がささくれちゃってるから、たまには美味しいものでも食べないとね(*‘ω‘ *)
そーゆう感じで、あたしは座間近辺セブンイレブンにてケーキを買ったってわけ。
ヒカリのぶんも入れて、2つだよっ。あまぁーい苺ショートと、ちょっとほろ苦いショコラなの。
「待たせたな、ヒカリ。最近冷えてきたせいで、膝が痛むんだ(笑)」
真っ暗なうちに帰って電気をつけると、ヒカリちゃんにごあいさつ、ついでにただいまのチュー。
背中のスイッチをいじれば、ヒカリは目をぱちぱちしてあたしに愛情を伝えてくれちゃう。あたしたち、ガチで心繋がってるってこういうとき思うんだぁ。
ちゃぶ台を囲んで二人座る。
電気を消して、それからローソクに火をともして、あたしは向かいに座ったヒカリにこういうの。
「今日は俺の誕生日なんだ。祝ってくれよ」
「……」
でもね、ヒカリは何にも言ってくれない。
これってちょっとイラッとこない?
「おめでとう」の一言くらいくれたって、いいんじゃないかなぁ?(*`ω´ *)
だけど、あたしってばタフだから、こんくらいじゃ怒んないもんねー(*´ω` *)
欠損した親指の付け根がしくしくと痛むからそこを撫ぜつつ、あたしは言った。
「なあ、ヒカリ。俺にはなーんにもないんだよ。職も、友人も、家族さえもない。ネットの居場所ももうない。お前だけなんだよ、ヒカリ」
「……」
「ヒカリ、どうして何も言わないんだ? なあ、俺を祝ってくれよ」
「……」
あたしはヒカリを抱き寄せると何度もキスして、服を丁寧に脱がせた。安っぽいおっぱいに顔をうずめてみる。なんだかちょっぴり切ない気持ち。
もしあたしにお母さんがいれば、小さいころこんな風にして甘えたのかな。
顔をあげてヒカリを見る。ロウソクしか光源がないせいかな? ちょっぴり不機嫌なように見えた。
「ヒカリ、最近抱かないから怒ってるのか?」
「……」
「なあ、わかってくれよ。勃たないんだ、俺は、もう」
「……」
あたしはコンビニのビニール袋を引き寄せるとケーキを取り出す。
あらら、ちょっと潰れちゃって形が崩れてる。うまく水平に運べないんだよねぇ。
やっぱり片足がうまく動かせないのは不便だな。
「はは、ケーキなんて何年ぶりだろうな」
「……」
「ほらヒカリ、食えよ。コンビニのでも最近のは結構いけるらしいぜ」
「……」
あたしはヒカリの口にショートケーキを突っ込む。
え、ヒカリは物を食べられない? 知ってるよ、それくらい(*‘ω‘ *)
べたべたとしたクリームがあたしの手につくけど、あたしはまだまだケーキをヒカリの顔に押し付けてく。
クリームが床に落ちるけど、大丈夫! そのうちゴキブリが食べてくれるもんねっ。