1 M4 (sage) 2016/04/21(木) 15:22:26 ID:wNLfkRaU
肉塊を袋に詰めるよう男に指示しながら考える。
「自分がやられて嫌なことは人にやってはいけない」
くだらない事だ、他人が嫌な思いをしたから何になるのだろうか?
弱者は常に私のような強者の報いを受ける。それが世界の常であり理だ。
ではもし強者が一転、弱者になったら?そこにある袋と同じ末路を辿るだけだ。私には関係ない。
今回使った男はなかなか使えそうな奴だ。明らかに死体の入った袋に動じることなくせっせとトラックに運んでいる。こいつにならいくつか仕事をまかせても良いかもしれない。
いくつか奴に仕事を任せたが岩村とかいうバカよりは使えそうだ。私はある家の玄関マットを盗むように指示する、男は困惑した表情を見せながらも頷いた。この世界で余計な詮索は死を意味する。どこかのバカに見習わせたいな、あぁもう死んでるか。
その男は1ヶ月ほどかけて見事にマットを盗んできた。しかも誰にも見つからずに!
私はその男に約束の30万を渡すと自宅に帰り、ワインの栓を開けた。
グラスに注がれたワインの芳醇な香りが鼻腔を刺激し、気持ちの良い酩酊の世界へと誘う。
そうだ、あいつらの反応を見てやらんとな。私はPCを起動すると慣れた手つきでブックマークからカークランドへとアクセスする。
いつものように雑談スレを眺める。私に躍らされているとも知らずに暢気な奴らだ、とページを更新してふと手が止まる。思ったとおりだ。奴なら自分の顔を出してマットの画像をアップロードすると思っていたよ。
そしてペット動物園に殺した男の墓が立っている、いや、ダチョウだったな。
全く愉快な男だ。いや、私をここまで楽しませてくれるとは思わなかったぞ。
だが顔が割れてしまった以上奴はもう使えんな。新しい奴を見つけてこなければ。
私は最後にあの男に依頼を出す。これが奴の死出の旅路となるだろう。
「唐澤貴洋殺せ」