3 松本 智津夫 (sage) 2016/04/21(木) 15:26:59 ID:wNLfkRaU
東京拘置所の長い階段を下り、ほとんど電気の切れ掛かった電球がちかちかと私を照らす。
獣のような臭いに鼻をしかめながら私は面会所へと歩く。
松本智津夫、紫のポンチョも今や糞尿に薄汚れ形容しがたい色へとなっている。
「ある人物を殺してくれないか?」
彼は私の体をまじまじと見つめ軽く落胆した表情を見せた。彼は金属を身に着けた相手を操る能力を持つ、私を操るつもりだったらしいが無駄なことだ。
「なんで俺が」 「お前じゃないと殺せないからだ。」
困惑し、少し思案した様子を見せる。当たり前だ、一人の人間を殺すためにこんなにリスクを負ってきているのだ。不安に思うだろうな。
「殺してくれれば事情聴取中という名目で無期懲役くらいの刑にできる。このままいけばお前は電気イスにも座れず、銃で撃たれることもなく、その能力の研究のために麻酔をせずに解剖されるぞ。」
長いひげをいじりながら何か思案している様子だった。金属を持つと操られるから誰も彼の世話をできない。思えば哀れな奴だよお前は。
「わかった。引き受けよう。」
「極秘釈放の条件として爆発する首輪と小型無線機をつけてもらう。この首輪の爆発条件は強い衝撃をうけたとき、見張りの者が持つスイッチが押された時、つまり指示以外の行動をとった時 の二つだ。」
「殺人対象の詳細情報はまた来た時に伝える。釈放期間は一週間、その間に対象を殺せ。できるか?」
「・・・、わかった。」
「よし、それとその汚い紫のポンチョも着替えさせておけ」「わかりました」
番人に命令すると松本は何かを決意した表情をみせた。そうだ、そんなくだらないプライドは捨てておけ。プライドと引き換えに太陽を拝めるんだ、安いものだろう?
「一つ質問してもいいか?」 「なんだ?」
「対象人物の名前は?」 「・・・、@@@@だ。」「わかった。」
いいな、
「唐澤貴洋殺せ」