729 名前が出りゅ!出りゅよ! 2022/03/24(木) 02:37:41.66 ID:E/Ul7BpW0
昨日も今日も明日も書類と向き合う日々が続く。
合間を縫ってユーチューブの撮影。忙しない日常が当職が弁護士であることを実感させてくれる。
当職は弁護士だ、お前らとは違う。
自分は上流階級の人間だ。一般人には手も届かない地位を築いている。
弁護士であることで自ずと感じるある種の優越感に当職は満足していた。
仕事終わりに自販機でコーヒーを買ってスーツを脱ぎながらカフェインの香りを愉しむ。
その際に左襟の黄金色の弁護士バッジがふと目に入る。
独特の光沢は当職の煌びやかな日々そのものだと感じる。
弁護士としての一日、それは一般人は一生体験する権利さえない日々の連続がどれだけ素晴らしいものなのか、本当は教えてあげたいけどそれが出来ない。
だってステージが違うのだから。こればかりは残念ながら仕方がない。
ある日、僕は弁護士のみが参加できるセミナーで講演を任されることとなった。
業界の中ではちょっとした有名人の当職は自信満々に約10年の経験を自慢げに語る。
相手がどんな人かを知ろうとすること、それが弁護士としての懐の広さであると教え込む。
もう一人は弁護団ガーって騒いでいたけどぶっちゃけどうでもいい。
当職の知名度もあってかセミナーは弁護士ドットコムがするイベントの中でも最大級の申込者数となったそうだ
司会のそこそこかわいいねーちゃんからそう聞いたときに弁護士の中でも上の位になりつつあることを再度実感できた。
当職はいつしか他の弁護士に自分の子分のように従えたらいいなと思うようになった。
言い換えれば当職が父親で当職に従順なかわいい後輩達は当職の子共、つまり当職をリーダーにして絶対権力をもつ家族のような集団を作りたいと思っているわけだ。
セミナーは当職の予想を遙かに超えた大好評で幕を閉じた。
理想の実現に限りなく近づいている。千里の道もあと百里。人生の禍福の波の好況期。
当職を酔わせてくれる比喩は頭の中で次々浮かんでは消えるの繰り返し。
回想すればするほど、当職の脳は当職を褒め称えて甘やかしてくれる信頼や名誉、地位、資産といったアルコールで泥酔し始めた。