730 名前が出りゅ!出りゅよ! 2022/03/24(木) 03:22:38.37 ID:zlz6ftPm0
目覚めると赤紫の布きれを着ている。
全裸で寝る当職にパジャマなどあるはずがない。
3畳ほどの薄汚くて外から変な匂いがする小部屋に当職の姿があった。
普段住むタワマンとは真逆の存在だ。
変な音楽で目が覚めたようだ。
自分の身に何が起こっているのか分からない。
とりあえず洗面所に向かう。見慣れない光景が広がっている。
悪夢なら覚めてくれ。願っても無駄なのだが藁にも縋りたくなる瞬間は人生の中で訪れるのはもはや必然なのかもしれない。
黒茶に汚れた白い滑稽な格好をする若者が足を組んで深呼吸をしている不思議な光景を目の当たりにした。
何かがおかしい、この上ない違和感が自分に襲いかかる。
外へ出る扉を見つけて脱走を試みる。
いざ扉を開けると自分の身に覚えのないふざけた田舎が広がっていた。
しかも先程の格好をした者が何十人もいたので逃げることは不可能だと悟った。
逃走はできずともせめてもの状況把握が必要だった。
若い者から当職よりも明らかに年上の者までさまざまだった。男性も女性もいてやっていることはバラバラのようだ。
まるでもって訳が分からない。
ぼうっとしていると突然準備が出来ましたよと声がかかる。
拒否することもできずに若者が誘導する場所へ向かう。
そこは地獄のような光景。
普段神戸牛を朝から堪能する当職には考えられないお粗末な食事が用意されていた。
不思議なことに地獄は数分で終わったようだ。
当職は最高権力を獲得したことを確信した。確信は少し嘘かもしれない。確定だ。
当職は喉から手が出るほど欲しかったものが望む形とは少し違うけど手に入ったのだ。
素晴らしい日々。
みんな当職に従順に従ってくれる。
逆らう者は周辺には誰もいない。逆らう者は国家だけだ。
国家も当職のものにできる、そう感じれるようになったのはたった数日前からだったはずなのに遙か昔の記憶のように思える。
弁護士だろうが医師だろうが官僚だろうが関係ない。
当職に楯突く者は皆敵だ。早急な処分だ。
堅苦しく熱苦しい信頼、名誉、地位、資産。必要なのは修行だ。
修行が世界を変える。
そう信じて日々修行に励む毎日が始まった。
それは3ヶ月前の話。