916 185.195.71.3 2022/09/15(木) 22:47:02.44 ID:epNz7Rn50
「山岡さん、泣かないで下さい。」
涙をポロポロ流し落ち込む山岡を千葉が慰めている。
一体何が起こったのだろうか。
実は、明日、山岡にはセミナー講演の予定が1つ入っていた。
今まで山岡がセミナーの仕事をやったことがない三井住友海上が主催からお声がけで、セミナーの仕事を獲得したのだ。
それが今日になって突如「やっぱり中止で。」と、セミナーの中止が言い渡されてしまったのである。
延期ではなく中止、即ち山岡が一生懸命営業を重ね、ようやく獲得した実績が1つ白紙となってしまったのである。
あまりの唐突なドタキャンに強く憤る町弁、企業に強い弁護士として三井住友海上の対応に苦情の電話を入れる鬼畜、山岡と同じように悲しんでくれる笠置。
八雲法律事務所には山岡1人に12人が動くという、12人が山岡に従い、山岡が12人に奉仕するという序列ができているのである。
そんな中、未だに八雲法律事務所に馴染めていない一人の冴えない男がいた。
誰であろう、星野である。
星野は労働関係に強い弁護士であるから本来であれば専門知識と経験を生かして三井住友海上に苦言を呈さなければならない立場ではなかろうか。
講師の都合でセミナーが中止?
いや、セミナーのないときは大抵は山岡は部下とチンポケースの挿し合いっこをしているわけだから都合が悪い日などあるはずもないことは星野も知っているのである。
なのに、言えなかった。
電話越しに怒鳴り散らしている鬼畜に怯えたわけではない。
ただ山岡が部下のチンポを自分の穴に入れられていること、反対にチンポを部下に挿入していることを三井住友海上に言えなかったのである。
星野はまだ八雲法律事務所のありのままの姿を心の奥底から受け容れることができていなかったのである。
仮に八雲法律事務所の実際の姿のことが言えなかったとしても、せめて何故唐突に中止になんかするのだ、それくらいは聞くことはできたはずだ。
それもできなかった。
なぜなら山岡のメアドを悪用した爆破予告が送られていることを知っているからだ。
そのメアドには「手柄横取り」や「会社法違反」、「違法駐輪」と、山岡とは切っても切れない言葉が書き記されていた。
山岡裕明の名前とこの言葉を合わせて検索すると何かのwikiが一番上にヒットする。
もし何かのwikiが三井住友海上に見られたらどうしようか、そんな風に思っているに違いない。
唯一セミナーで小銭を稼いでローションやディルド、ゴムを買っているというのに唯一の稼ぎ元が無くなってしまうと八雲法律事務所は皆セックスレスになってしまう。
何かのwikiだけは絶対に見られたくなかったのに、三井住友海上に見られてしまったのだろう。
八雲法律事務所から明らかに浮いている星野。
入所が最後だから未だに馴染めていないのかもしれない。
星野はまだ完全に「八雲」の人間にはなりきれていないことは薄々本人も気付いている。
しかし、そんな星野だからこそ他の10人は気付いていないことにも気付くことができる。
同じく「八雲」の人間になりきれていない自分なら星野の理解者となり得る。
自分と同じく何もできずおどおどしているように見せかけて内部から営業妨害するスナイパーがいるということに。
星野とは仲良くやっていけそうだ。