唐澤貴洋に対する考察 (16)

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3 名前が出りゅ!出りゅよ! 2017/07/07(金) 02:22:26.35 ID:qqJRc/oO0

TVの男は違う。
彼は怒っているのだ。
まるで口ごたえをされた親のように不機嫌をあらわにしている。
つまらない普通の人間だ。

それに気がついた時、何かが抜け落ちるような喪失感に襲われた。
僕が尊敬したあの人は存在しなかったのか?
彼は幻だったのか?
あの思いをぶつける先は本当はこの世のどこにもなかったのか?
大事なものが、僕の中から消えていった。
世界から色がなくなったようだった。


しばらくたったある日、僕は大学で講義を受けていた。
退屈な毎日の、変わらない一日、のはずだった。
目の前で信じられないことが起きた。

“えー今日はインターネット上の権利侵害に詳しい先生にお越しいただいています”

目の前にあの男がいる。
つまらない現実の中で、僕の捧げた理想の相手が立っている。
やめろ、その名前をいうな。

“弁護士の唐澤貴洋です”

僕は手にはカッターナイフが握りしめられていた。
体が勝手に動いた。やらなければいけない気がした。
叫び声が周りに響く。
男は情けなく震えながら何かをいっている。

“や、やめなさい!そ、そんなことしても何の特もないぞ!ど、どうかやめてくれ!”

お前も、後ろで騒いでる連中も、この世界も、みんな偽物だ。
だけど、この思いだけは本物だと、心からそう思えた。

「ナイフでめった刺しにして、殺す」