3 野に咲く名無し@転載禁止 2025/02/13 (木) 17:00:26.976 ID:5hNNuZMn8主
そして…ついに待ちに待ったバレンタイン当日。
「ぷゆゆ共、元気にしてたかー!」
「ぷー!!」
コンテスト会場には大勢のぷゆゆ達。
皆、この日を待ちに待っていたようで大きな賑わいだ。
「さあ始まりました、農園チョコレートコンテスト!
司会は、木缶木こんこが担当します!」
今日の木缶木こんこにはリングは見当たらず、元気いっぱいに実況を行っている。
「審査員はワシ、あなほり隊長。工事と料理はどこか通じておるから選ばれたというわけじゃ。
次に…」
「わたしこやしちゃん。茶色いものならお任せですの〜
それと、フェリィが担当しますの。
よろしくですわ〜」
「💪🙇」
審査員の紹介も終わり、会場の熱気は十分なようだ。
参加者は皆、自分の番を今か今かと待っている。
(大丈夫…僕ならやれるはずだよ)
その中でも緊張を隠せないののか。拳をぎゅっと握りしめる。
「それでは早速参りましょう。
エントリーナンバー1…なさけ!」
「なさの作品はこれなさ!」
なさけが自信満々に差し出したのは…ただのお芋。
「これぞチョコレート(多様性)なさ!」
「1点だねコリャ」
「1点ですの」
「☝😡」
当然ながら、審査員の評価も厳しい。
「おおっと、最初からまさかの最低点!波乱の展開です。
さてお次は、エントリーナンバー2…ゆめちゃん!」
「ゆめちゃんはねぇ、これだよぉ」
そう言って取り出したのは…どう見てもアレにしか見えない。
「ゆめちゃんの好物をチョコレートで再現してみたよぉ。
絶品だよぉ」
妙にリアルな柔らかめのチョコレートを、その場でモシャモシャ食べ始める。
これには審査員たちも頭を抱えているようだ。
「コリャ…出来は素晴らしい。けれど1点」
「1点ですわ。本物なら満点でしたのに…」
「☝🤧」
「おおっと、またもや最低点!
勝負の行方がわからなくなってきました!
さあ、次はエントリーナンバー3…」
−−−−−−−−−−−−
出番が近づいてくる。
「さあコンテストも残りわずか、最後の1人となりました。
エントリーナンバー120…野咲ののか〜!」
「いくぞ…はいっ!!」
ついに出番。覚悟を決めたののかは、ステージへと上がっていく。
「お待たせしました。僕のチョコは、これですっ!」
「コリャ…カブトムシ!?」
ののかが持ってきたチョコレート。
それは、カブトムシの形をしたものだった。
「実はチョコ用の型がなくて…家を探してたらこれが見つかりました。」
ののかが何かを見せる。
それは昔に売られていた、昆虫のゼリーを作るおもちゃの型だった。
いつのものかは定かではないが、台所の奥にしまわれていたようだった。
審査員たちがチョコレートを見ると、ただ型を使っただけではなく、ピンクを基調とした様々な色に彩られている。
リボン型のチョコやアラザンのデコ、表情までチョコペンでかわいく飾り付けられていた。
「それで…お味はなんですの?」
「オレンジのガナッシュです。よければぜひ」
「😋👍✨」
ののかが見た目だけでなく味にもこだわって作ったチョコレート。審査員たちにも好評なようだ。
「…僕も昔は男の子らしいことに憧れた時もあったのかもしれません。
今は違う僕になって、でもそこまでの僕もあったわけだから。
これは、そんな今と昔の僕を表現したチョコレートです!」
一瞬、しんと静まる会場。
「あ、あれ…変なこと言っちゃったかな」
その直後…会場は盛大な拍手に包まれる。
「すごいぷー!!」
「ワシは感動したよコリャ…10点!」
「茶色の涙が出てしまいましたわ。10点ですの!」
「✋✋🥰」
「来ました、初の満点ー!!
ということは…優勝は、野咲ののかさんになります!おめでとうございます!」
会場の盛り上がりは最高潮に達した。
−−−−−−−−−−−−
「優勝した野咲ののかさん、一言どうぞ!」
「わぁ…ありがとうございます。僕のチョコがこれだけ見てもらえるなんて、夢みたいです…」
「ふむふむ…そして、優勝者には、副賞の板チョコ1年分が送られます!」
こんこがそう言うなり、舞台の袖から大きな箱を持ち上げたグラサン達がやってくる。
箱は板チョコの形をしており、あの中にたくさん詰まっているのだろう。
「こんなに大きいものを…とても嬉しいです!」
「さあ、名残惜しいですが以上を持ちまして、農園チョコレートコンテストを……あれ?」
こんこが客席を見ると、ぷゆゆ達の様子がおかしい。
皆揃ってよだれを垂らしており…副賞のチョコレートに釘付けになっている。
「あの…もしかすると、この板チョコが食べたいんですかね?」
ののかはふと考える。
そして、考えた末に。
「…よし、決めました。
僕が、このチョコを皆さんに振る舞います!
こんこさん、ここにキッチンってありませんか?」
「ええ、ここから少し離れた所ですがありますよ」
「それは助かります!そこでこれを調理してみますね。
皆さんに美味しいチョコをお届けしますよ〜!」
「ぷー!!」
突如始まったののかのチョコレート配布会。
その賑わいは、空が真っ暗になるまで続いたという。