【マスコットSS】野咲ののかの作るチョコ (18)

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3 野に咲く名無し@転載禁止 2025/02/13 (木) 17:00:26.976 ID:5hNNuZMn8主

 そして…ついに待ちに待ったバレンタイン当日。

「ぷゆゆ共、元気にしてたかー!」

「ぷー!!」

 コンテスト会場には大勢のぷゆゆ達。
皆、この日を待ちに待っていたようで大きな賑わいだ。

「さあ始まりました、農園チョコレートコンテスト!
司会は、木缶木こんこが担当します!」

 今日の木缶木こんこにはリングは見当たらず、元気いっぱいに実況を行っている。

「審査員はワシ、あなほり隊長。工事と料理はどこか通じておるから選ばれたというわけじゃ。
次に…」

「わたしこやしちゃん。茶色いものならお任せですの〜
それと、フェリィが担当しますの。
よろしくですわ〜」

「💪🙇」

 審査員の紹介も終わり、会場の熱気は十分なようだ。
参加者は皆、自分の番を今か今かと待っている。

(大丈夫…僕ならやれるはずだよ)

 その中でも緊張を隠せないののか。拳をぎゅっと握りしめる。

「それでは早速参りましょう。
エントリーナンバー1…なさけ!」

「なさの作品はこれなさ!」

 なさけが自信満々に差し出したのは…ただのお芋。

「これぞチョコレート(多様性)なさ!」

「1点だねコリャ」

「1点ですの」

「☝😡」

 当然ながら、審査員の評価も厳しい。

「おおっと、最初からまさかの最低点!波乱の展開です。
さてお次は、エントリーナンバー2…ゆめちゃん!」

「ゆめちゃんはねぇ、これだよぉ」

 そう言って取り出したのは…どう見てもアレにしか見えない。

「ゆめちゃんの好物をチョコレートで再現してみたよぉ。
絶品だよぉ」

 妙にリアルな柔らかめのチョコレートを、その場でモシャモシャ食べ始める。
これには審査員たちも頭を抱えているようだ。

「コリャ…出来は素晴らしい。けれど1点」

「1点ですわ。本物なら満点でしたのに…」

「☝🤧」

「おおっと、またもや最低点!
勝負の行方がわからなくなってきました!
さあ、次はエントリーナンバー3…」

−−−−−−−−−−−−

 出番が近づいてくる。

「さあコンテストも残りわずか、最後の1人となりました。
エントリーナンバー120…野咲ののか〜!」

「いくぞ…はいっ!!」

 ついに出番。覚悟を決めたののかは、ステージへと上がっていく。

「お待たせしました。僕のチョコは、これですっ!」

「コリャ…カブトムシ!?」

 ののかが持ってきたチョコレート。
それは、カブトムシの形をしたものだった。

「実はチョコ用の型がなくて…家を探してたらこれが見つかりました。」

 ののかが何かを見せる。
それは昔に売られていた、昆虫のゼリーを作るおもちゃの型だった。
いつのものかは定かではないが、台所の奥にしまわれていたようだった。

 審査員たちがチョコレートを見ると、ただ型を使っただけではなく、ピンクを基調とした様々な色に彩られている。
リボン型のチョコやアラザンのデコ、表情までチョコペンでかわいく飾り付けられていた。

「それで…お味はなんですの?」

「オレンジのガナッシュです。よければぜひ」

「😋👍✨」

 ののかが見た目だけでなく味にもこだわって作ったチョコレート。審査員たちにも好評なようだ。

「…僕も昔は男の子らしいことに憧れた時もあったのかもしれません。
今は違う僕になって、でもそこまでの僕もあったわけだから。
これは、そんな今と昔の僕を表現したチョコレートです!」

 一瞬、しんと静まる会場。

「あ、あれ…変なこと言っちゃったかな」

 その直後…会場は盛大な拍手に包まれる。

「すごいぷー!!」

「ワシは感動したよコリャ…10点!」

「茶色の涙が出てしまいましたわ。10点ですの!」

「✋✋🥰」

「来ました、初の満点ー!!
ということは…優勝は、野咲ののかさんになります!おめでとうございます!」

 会場の盛り上がりは最高潮に達した。

−−−−−−−−−−−−

「優勝した野咲ののかさん、一言どうぞ!」

「わぁ…ありがとうございます。僕のチョコがこれだけ見てもらえるなんて、夢みたいです…」

「ふむふむ…そして、優勝者には、副賞の板チョコ1年分が送られます!」

 こんこがそう言うなり、舞台の袖から大きな箱を持ち上げたグラサン達がやってくる。
箱は板チョコの形をしており、あの中にたくさん詰まっているのだろう。

「こんなに大きいものを…とても嬉しいです!」

「さあ、名残惜しいですが以上を持ちまして、農園チョコレートコンテストを……あれ?」

 こんこが客席を見ると、ぷゆゆ達の様子がおかしい。
皆揃ってよだれを垂らしており…副賞のチョコレートに釘付けになっている。

「あの…もしかすると、この板チョコが食べたいんですかね?」

 ののかはふと考える。
そして、考えた末に。

「…よし、決めました。
僕が、このチョコを皆さんに振る舞います!
こんこさん、ここにキッチンってありませんか?」

「ええ、ここから少し離れた所ですがありますよ」

「それは助かります!そこでこれを調理してみますね。
皆さんに美味しいチョコをお届けしますよ〜!」

「ぷー!!」

 突如始まったののかのチョコレート配布会。
その賑わいは、空が真っ暗になるまで続いたという。