2 野に咲く名無し@転載禁止 2025/03/03 (月) 17:00:43.118 ID:L9HSJB6XK主
「あれ…?」
「どうかしましたか?」
「なんか、いいにおいがするよ」
ぴりおは立ち上がり、辺りをくんくんと嗅いでみる。
「たぶんあっち、お山の方からするよ」
「山ですか。何かお店でもあるんでしょうかね」
「気になるよ〜ぼく行ってこようかな」
「それなら私も、見に行くとしましょうか」
−−−−−−−−−−−−
「んしょ、とうちゃく〜」
「おやおや、これは何でしょうか…」
「わあ〜すごいや」
山のふもとに着いた二人。
高くはない山だが、彼らにとってはとても大きなものだ。
そしてその目の前には、ひな壇がある。
それもただのひな壇ではない。とても長く、見上げれば山の上までずっと続いてそうだ。
「匂いの方はどうでしょうか」
「やっぱり上の方からするよ。でも、ここをのぼるのは…」
「流石にここを登るには、私達には厳しそうですね。他の緩やかな道を探しましょうか」
と、二人が離れようとした時だった。
「オッス!」
「わ、びっくりした!」
「貴方は…うんちゅくん。どうも」
そこに現れたのは、うんちゅだった。
彼もこの匂いに惹かれてやってきたのだろうか。
「かくかくしかじか…というわけです」
「なるほどっス。上に行くなら、いい方法があるっスよ」
「なんだろ?」
うんちゅはそう言うと、両手を差し出してきた。
「オラはこのまま、上まで飛んでいくつもりだったっス。
それなら二人はこの腕につかまるといいっス」
そう、うんちゅは妖精。
その羽を使って飛んでいけば、全員で上に着くことができそうだ。
「でも、重くないでしょうか?」
「オラは農奴の同位体。重さも同じくらいだから平気っスよ!
ささ、遠慮なくどうぞっス」
「じゃあぼくも、おねがい!
…わわっ」
三人の体がふわっと宙に浮く。
そのままうんちゅは高度を増していき、頂上へと向かう。
ぴりおとアルは、つかの間の空中を楽しんでみる。
「すごいな、本当に空をとんでるよ〜たのしいな」
「私もこんな体験をするのは初めてです。
これは、実に興味深いです…」
「におい、もっとしてきたよ!
お山の上にはなにがあるんだろうな〜」
「そろそろ到着っスよ!」