3 野に咲く名無し@転載禁止 2025/03/03 (月) 17:01:00.587 ID:L9HSJB6XK主
三人が頂上に着くと、そこには楽しそうな景色が広がっていた。
食べ物の屋台に飾り付け。たくさんのぷゆゆ達で賑わい、梅の花もたくさん咲いているようだ。
「わ、楽しそう!
これって…お祭り?」
「そのようですね。恐らく、雛祭りのイベントではないかと」
「すごいっスね〜
おや、あっちから誰かが来てるっス」
カランカラーン!
突然、会場に大きな音が鳴り響く。
そして同時に、ベルを持ったぷゆゆが駆け寄ってきた。この音の主は彼だろう。
「お、おめでとうございますぷゆ!
あなたは記念すべき、今日1000人目の入場者ですぷゆ!」
ぷゆゆが指したのは、ぴりお。
「えっ、ぼく!?」
「幸運なお客様にはプレゼントを用意いたしましたぷゆ。
こちら!」
そう言ってぷゆゆが取り出したのは、ファーのついた大きなコートだった。
いかにも高級そうな質感で、とても暖かそうなコートだ。
しかし、これはどう見ても…
「…人間用ですね」
「でも、もらえるもんはもらっておくといいっスよ〜」
「うんっ、ありがとうぷゆゆさん!」
「ほ、本当におめでとうございますぷゆ。
それでは、この農園巨大ひな祭りをごゆっくりお楽しみくださいぷゆ!」
「わーい!」
小走りで会場に向かっていくうんちゅとぴりお。
アルもついていこうとするが、ふと先程のぷゆゆを見ると、何やら独り言を話してるのが聞こえる。
「おかしいぷゆ。本当なら…」
何かひっかかるが、ひとまず二人の元に向かうのだった。
−−−−−−−−−−−−
早速三人はイベントを回り出した。
最初に向かったのは、食べ物の屋台。
「くんくん…さっきまでしてたのは、このにおいだ!」
「おや、これは…」
ひな祭りのものにそうじゃないもの。たくさんの食べ物が並ぶ中でも、ぴりおが惹かれたのは…オニオンスープ。
「店員さん、これください!
…うん、おいしいよ!」
「……私はこれ、定番の雛あられを少しいただきます。
ネズミにも丁度いいサイズです」
「お、甘くて美味しいっスよね。
オラはひし餅、この柔らかさがたまらないっスね〜
さあ、腹ごしらえしたら、次行くっスよ!」
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次にやって来たのは、豪華な飾り付けがなされたとりわけ大きなひな壇。
「わあ〜すごいりっぱだなぁ」
「しかし、人間って面白いですよね。優れた種族なのにわざわざネズミのサイズまで降りてくるなんて…」
「ほらほら、写真撮るっスよ!」
喋りだしたアルがうんちゅにつまみ上げられる。
そうして置かれたのは、ひな壇に空いていたスペース。
「あわっ、何を…そしてそのカメラは一体」
「ちょっと借りてきたっスよ。
…はい、チ〜ッス!」
アルは言われるがままにピースをし、カメラのシャッターが押された。
撮った写真をその場で眺める三人。
「うぅ…私ともあろうものが人間らしいことなど」
「でも、すごいきれいだよ!」
「表情もすてきっス」
そう言われたアルはもう一度写真を見る。
人形と肩を並べ写ってる自分の姿に、なんとも言えない気持ちを覚えた。