3 野に咲く名無し@転載禁止 2025/08/23 (土) 06:21:25.518 ID:7VU697J4a主
4月2日(観察初日)
目が覚めると、枕元にいた。大きな黒目がじっとこっちを見ている。眉はさらに下がり、昨日よりも切ない顔になっていた。まるで「どこにも行かないで」とでも言ってるようだった。
「…おはよう?」
言葉に反応するように、「ぷー」と短く鳴いた。
どう鳴いているのかは依然として不明。口は動かない。鼓膜にも何か圧迫感があるような、不思議な鳴き声だ。
冷蔵庫にキャベツの芯があったので試しに与えてみると、「ぷーっ!」と一鳴きして跳ねて近づき、ちょんちょんと少しずつつついて食べ始めた。あんなに困り顔のままなのに、なんとなく嬉しそうなのが伝わる。
日中は部屋の中をあちこちぴょんぴょん跳ね回っていたが、壁にぶつかると「ぷー…」と小さく鳴いて動かなくなる。その度に俺が声をかけると、また動き出す。間抜けだけど、なんだか憎めない。
夕方、ソファの下に挟まって「ぷーぷー」と助けを求めていた。引っ張り出すと、ぷゆゆは俺の膝にぴょこんと飛び乗り、顔を見上げてきた。その瞳に映るのは、俺の顔と、ほんの少しの希望のようなものだった。
…俺、ほんとに変な方向に目覚めてないか?