恒心カップリング議論スレ (203)

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131 グナマーナ正大師 (sage) 2015/07/29(水) 15:29:08 ID:DKtnRcU2

チンフェ×オメガSS
「或る東京の居酒屋」

新橋駅から歩いて十五分の寂れた居酒屋のカウンター席に、スーツ姿の男が座っていた。
身長は百八十センチメートルは有るだろうか。立派な体格。将棋の駒の様にゴツゴツとした顔立ち。顔を覆わんばかりの大きな眼鏡。しかしその重厚な顔には絶望がありありと浮かんでいた。
「どうして、どこも雇ってくれねえんだ……」
男の名は小関直哉と言った。彼は兆海道で生まれ育った生粋の道民であり親元に暮らしていたが、二十六歳にして家を追い出され仕方無くここ東京に職を求めやってきたのだ。

小関が家を追い出された理由は二つあった。一つは二十代半ばを超えて未だフリーター稼業を続ける息子に親が痺れを切らした事。もう一つは、これが最大の理由であったが、彼が艦豚教なる宗教の過激派に三年ほど前から帰依していた為、その活動の所為で両親もトラブルに巻き込まれた事だ。

「隣座ってもいいンユ゙?」
突然、ある男が小関に訪ねた。
「正直、いいですよ」
小関は答える。
席に座り早速酒を頼むその男の姿を小関は脇目で観察する。髪と肌を大便色に染め、小関と同じくスーツを着ている。身長は百七十センチメートル台前半と小関は判断した。

132 グナマーナ正大師 (sage) 2015/07/29(水) 15:30:17 ID:DKtnRcU2

「ワイは長谷川亮太いうんや、アンタ、就活中やろ?」
酒が届いた直後、男は小関に話しかけた。
「ワイは国士舘大の王や。こっちも就活中や、でも、何百社受けて一つも内定貰えん」
「私もですよ、正直、あの件さえ無ければ……」
「なんや、あの件って」

しまった。小関はそう思い口をつぐむ。
三月に唐澤貴洋という男の率いる「恒心教」という宗教が艦豚教の聖地「光作杯」を制圧した。さらに恒心教は艦豚教の指導者DMM様や角川様の尊厳をも汚した。小関はそこに真正面から挑み、その力の差に呆気無く敗北し蹂躙されたのだ。彼の家族も職場も滅茶苦茶にされた。後で知ったことだが恒心教は「ゴリホーモ」なる集団ストーカー軍団を率いていた。ゴリホーモは日本の企業の九十五パーセントを傘下に収めていた。目を付けられた小関が就職できないのも当たり前の話であった。

133 グナマーナ正大師 (sage) 2015/07/29(水) 15:30:59 ID:DKtnRcU2

「まあ、ネットで色々とありましてね、お陰で私ちょっとした有名人なんですよ、一応の対処はしたけど」
「もしかして、唐澤貴洋か?」
核心を付かれた小関は驚き目を丸くする。長谷川は続ける。
「……その様子やと図星やな、安心せい。 ワイは恒心教のスパイやあらへん。 逆や、ワイも唐澤貴洋に人生を破滅させられたんや」
「詳しく聞かせてください」
「……ええやろ、端的に言えば、ワイも昔信者やったんや。 荒廃した生活を治す為入信したのに、尊師の神通力発動料として月三十万円を徴収されたあげく、ワイの生活が好転することは無かった、残ったのは雲笛(うんふえ)っちゅう戒名だけや」
信者にすらその様な滅茶苦茶を強いていたのか。

怖い

小関は心からそう思った。
だか長谷川亮太は違った。
「ワイは、アイツを、運虎武龍(うんこぶりゅう)を許す事はできん、いつかナイフで滅多刺しにして殺したる」
その目には、闘志が宿っていた。
「小関くん、年はアンタの方が上やが炎上歴はこっちのが三年上や、一緒に虎ノ門サティアンの運虎武龍と聖獅出龍を殺らへんか?」
小関は頷いた。