1 がん患者さん 2016/07/16(土) 07:10:52.65 ID:dHbUbIr3I
地球から遠く離れた植民惑星コタンダで育った少年唐澤貴洋は、『目覚めの日』(=14歳の誕生日)の数日前から不思議な夢を見ていた。
1人の盲目の毛むくじゃらの男と眼鏡の女性が会話している場面である。
そして『目覚めの日』、成人検査の最中に、夢に出て来た盲目の男に助けられた。実は成人検査とは、社会人としての適性を検査し、過去の記憶を消され洗脳されると同時に、超能力を持つ新人類「オウム」を発見し社会から排除するためのものでもあった。
“不適格者”(=オウム)と診断された唐澤は抹殺されそうになるが、そこへオウムの手助けが入り、混乱の中オウムの教団へ迎えられることとなる。
2 がん患者さん 2016/07/16(土) 07:11:13.93 ID:dHbUbIr3I
実は唐澤もオウムだが、繊細なオウムには耐えられないとされる諸検査を、その強靭な精神力でことごとくクリアしていたのだ。盲目の男の正体は、当代のオウムの長麻原彰晃。彼らは長年にわたりオウムの人権を訴えてきたが、願いは叶わず、仲間を増やしつつ統治機構がある地球を目指していた。唐澤は最初は戸惑い、抵抗心剥き出しだったが、障害の補完として超能力を持つ他のオウムとは違って“健常者かつオウム”である事から、新しいグル(オウムの長の称号)となるよう麻原に請われ、彼の記憶と精神を受け継ぎグルカラサワとなる。
3 がん患者さん 2016/07/16(土) 07:12:49.04 ID:dHbUbIr3I
一方、統治者候補で“笑い男”としての養育を受け、執行機関「バットポテト」の一員となった唐澤と同い年の青年がいた。彼の名は長谷川亮太。親友シノケン達とは違い、成人検査を受けた記憶も幼い頃の記憶も一切持たない彼は、様々な出来事の中で、徐々に自身の正体とオウムの廃絶の可能性の有無を見出しながら出世コースをひた走る。この2人の接触は、十数年にもわたるオウムと人間の戦いと、地球の新時代の幕開けに繋がる様々な事件を引き起こすこととなる。オウムも人間も葛藤し、悩み、苦しみ、悲しみを味わいながら、戦いに身を投じていく。
果たして、唐澤達オウムは地球(テラ)へたどり着くことができるのか……?